校長の恋愛・人生相談室

No.166

永遠の愛があるのか疑問に思えてきた

こんにちは。19歳の女です。
昨日友達から聞いた話に疑問を持ったので質問をしようと思いました。

私の友達はまだ10代なのに長く付き合っているカップルが多いです。
一番長いカップルで4年半です。
そんな中でもうすぐ4年になるカップルが別れました。だんだん連絡をしなくなり会いたいとも思わなくなった。という理由だそうです。
彼氏彼女ともあたしは仲がよく、付き合った当初から知っていて結婚すると思っていたので驚きでした。

そこで思ったのが、こんなに長く付き合い(あたし的に)いろんなことがありながらも、仲良くやってきたのに、こんな理由で別れることがあるのか。ということです。
深く知らないのにこんなことを言うのは間違いかもしれませんが、他に好きな人ができたわけでもなく、嫌いになったわけでもなく、離れる必要はあるのでしょうか。

あたしは最長でも一年半ほどで、そのときあたしは2年ほど引きずりました。
一年半でこんなひきずったのに、4年付き合ったカップルがお互いさっぱり別れられることが理解できません。

うちの母、姉は離婚していて、祖母祖父も離婚しています。(父方母方ともに)
そんなこともあり、ずっと好きでいられることなんてあるのか?と思ってしまいます。
友達には結婚してほしかったし、ずっと思い続けられることもあるんだってことを証明してほしかった気持ちもありました。また、今付き合っている彼氏とずっと一緒にいたいと思っていたのですが、なんだか続く自信がなくなってしまいました。

ベタですが、永遠の愛はあるのかということを聞きたいです。よくわからない文になってしまいましたが、校長先生の意見を聞かせてください。

校長

永遠の愛なんて幻想だその年齢で4年も付き合ったカップルってのは確かにすごいことだな。

まぁ若いうちほど別れやすいし、その事例で絶望して、永遠の愛があるのかないのかっていうのはちょっと拙速かもしれないな。

10代で4年付き合ったら、やっぱり一度くらいは危機が来たり、その関係性に疑問を持たないとむしろ不健全だと思う。10代はまだまだ価値観も固まっていないし、目まぐるしく周囲の状況も視野も変化していくし、20代後半のような「同じような生活の繰り返し」じゃない。見えなかったことは見えてくる、価値観だけでなく精神状態だって15歳と19歳では全然違うだろう。その間、安定するはずがないんだよな。同じ人と付き合っていても、内部変化はいろいろと起きている。

危機が来たり関係に疑問を抱かないと不健全だと言うのは、何も「別れないとおかしい」と言ってるわけではない。一度疑問を抱いて、例えば他の人とかと比べて「再選択」するぐらいのことがないと、この先の勢いがなくなるし、そういうことを繰り返してN段ロケットみたいなことがなければ10代から続く「永遠」なんて無理だと思うけどな。

それと10代のうち、というか若いほどに「発展性」を求めるから、別れやすいというのが大きい。もっと素敵な人を、という可能性が感じられるうちはやっぱり別れやすくなる。若いうちほど、愛よりも価値が重視されやすいんだよな。それがなぜなのかっていうのはここでは語らないけれども。

年齢を重ねれば長く続きやすくはなる。価値観が変化しづらくなったり、仕事などの環境が変化しづらくなったりするからというのもあるし、少しずつ寂しくなってくるのもある。それ以上に、「価値」より「愛」、何かを「する」よりも一緒に「いる」ことを重視するようにシフトしてくるっていうのが大きい。親から離れ、学校も終わり、子供のころよりは怖がりになって人との距離もできてくる。そういうときに寂しさを埋める、深く心がつながる相手って限られてきて、恋愛の比重が上がるんだと思うんだよな。恋愛は性欲という強烈な本能をきっかけとして、傷つけ合いながらも信頼関係を積み重ねやすいから。年齢を重ねた人たちの最後の(?)癒しの場所、深く人とつながる場所、それが恋愛なんだろうな。

だいぶ話がそれたな。で、永遠の愛はあるのか、だ。

んなものはない。断言できる。前も言ったことがあるけれども、聖火ですら「ずっと燃え続ける火」ではないよな。ちゃんと油を注いで、管理する人がいてこそ、結果としてずっと燃えてるだけであって、あの火が永遠に燃える火なわけじゃない。

永遠の愛なんて、幻想だ。「結果として寿命が尽きるまで消えることのなかった愛」というのがあるだけだ。日々の積み重ねの結果として。危うい時期があったり、ほとんど気持ちはないけど惰性で付き合っている日々があったり、やっぱりなんだかんだ言って相手のことが大事だと思える日があったりして、そういうことの積み重ねで徐々に相手がかけがえのない存在になっていき、結果として寿命が尽きるまで一緒にいられたというのが残るだけ。永遠の愛ではないんだ。

君は「ずっと好きでいられることなんてあるのか」と言うけれども、べつにずっと好きでいる必要はないのさ。ときにムカついても、心離れても、なんだかんだ言ってやっぱり相手の存在が一番大きい、とお互いに思えていたらいいんだから。特に危機にそれが思い出せれば、それでいいんだから。永遠の愛ではないが、死ぬまで寄り添うことはできる。

死ぬまで仲の良い夫婦はいっぱいいるさ。そう捨てたもんじゃないぞ。そのためには毎日を大事にすることだけだな。永遠を目指すのではなくて、結果として永遠になるように。

(感想があればこちらへ advice@rennai.ac