校長の恋愛・人生相談室

No.43

彼との子供を中絶したが別れられない

先生、はじめまして。こんにちは。
誰に相談したらいいのかわからず、こちらに送らせていただきます。
とても長くなります…

17歳の女です。

私には1年と半年ほどお付き合いをしている人がいます。彼も17歳です。以前は同じ高校だったのですが、彼の煙草が学校に何度か知られ(私は黙認していました)退学し、この春から外仕事をしています。

彼と体の関係を持ったのは、交際してから2ヶ月ほどの時です。お互いに初めてでした。避妊もきちんと行ってくれましたし、気持ちの部分でとても満たされたことを覚えています。
しかしそれからというもの、遊ぶ度に体を求められるようになりました。遊ぶ場所は大体が彼の家で、外でデートをすることはほとんどありません。めずらしく外で会っても、場所を探して体を求めてくるので、私自身、なるべく外で会うのは避けるようになっていきました。

そしてそのうちに、避妊をしてくれなくなりました。
「金がないから」「生のほうが気持ちいから」とのこと。
私がお金を渡し、買うようにお願いすれば渋々購入してくれたのですが、「付けた」と言ったままそれを使わずにされ、終わった時に外に出された物を見て気付き唖然としたこともあります。(汚い話ですみません…)

「もしもの事があれば大変だから」と何度も話しました。強く拒みもしました。けれど、「そんなに俺のこと嫌い?」と言われると、自分でもわからないけれど拒めなくなってしまうのです。

また、行為が終わってしまうと、彼はアニメを見たり漫画を読んだり。ほとんど放置をされ、しばらくして彼がその気になると求められ…。


「大切にされていない」
「彼は性欲と恋愛を勘違いしているのでは」
「体目的なんじゃないか」

そう考えるようになり、我慢しきれずそのまま伝えたことがありました。すると彼は
「体目的だったら電話したりしないよ。それは勘違いだ」と怒りました。本当に好きなのだと言われました。私はその言葉を信じたまま、また何も変わらない関係で付き合っていきました。


しかし、今年の3月から月経が訪れず、5月の終わり頃に検査薬を使ったら妊娠していました。彼にそれを告げると、「生んで欲しい。がんばるから」と言われました。私の母も生むことを応援してくれ、父からもなんとか了解をもらい、彼の親からも「決めたほうを応援する」と言ってくれました。私は生むことを前提に学校を辞め、分娩予約もしました。

ですがある日、彼の親から「本当は反対だ、降ろしてほしい。生むのならすぐに家を出て行ってもらう」と私の親へ電話がありました。一方で私の家では祖母が両親に「どうして降ろさせないんだ」と幾度も言い、その都度母は「応援してあげてほしい」と反論したために、祖母と仲が悪くなりました。そして父は渋々だった「了解」を失い、ある朝、「降ろしてくれ」と土下座をされました。
私はその父の姿に耐えられず、また将来への不安も強く、もうこれ以上「生みたい」とは言えませんでした。


彼とこのままでいいのか…とずっと考えていた部分が膨らみ、降ろすことと一緒に、電話で別れを切り出しました。
「生みたい、別れたくない、好きだ」と粘られましたが、最後には「これで最後になるんだよ?本当にいいんだね?」と、電話は切れました。
その夜はずっと号泣し、「やっぱり好きだ」「やり直したい」と何度も思いましたが、「それじゃ駄目なんだ」と食い止め、なんとかやり過ごしました。

ですが、降ろすために彼のサインをもらいに行った時。ついに泣きながら「付き合いたい」と言ってしまったのです。
駄目だとわかっていながら、淋しさに負けてしまいました。


6月の終わりに中絶手術を行いました。彼は赤ちゃんを見て、号泣していました。もうこんなことは繰り返さない、全部俺が悪かった、と言っていました。

先週退院し、今は普通に生活できるくらいになりました。食欲はないですが、少しずつ体力も戻ってきています。
彼からは前よりも頻繁に電話がくるようになりました。心の心配もしてくれます。
しかし、その電話の中で、「1ヶ月は出来ないんだっけ?」「我慢できない」など、言われることがあります。
手術がとても怖かったため、もう体に何かが入るのが怖くてたまらないですし
こんなことの後でそういうことがどうして言えるのだろうと不信に感じてしまいます。
しばらくはしたくない事を伝えると、「俺だって男だからね。そんな事言ってると浮気しちゃうかもよ」と言われました。


もう、別れるべきなんだと思います。ですが、赤ちゃんへの罪悪感や手術の時の恐怖、また今までの幸せだった瞬間を思い出してしまうと、彼の声を聞きたくなったり、逢いたくなってしまいます。

自分でも自分がよくわかりません。どうしていいかわかりません。


何の相談かもわからなくなってしまいました…


ここまで読んでいただいてありがとうございます。

わかりにくい長文でごめんなさい。

校長

彼からは気合で離れて、執着の連鎖を断ち切りなさい・・・。これは・・・。へこむ話だな。

避妊とか彼の人間性とか大事なことが見えなくなって、高い代償を払ってしまったな。家族を傷つけたりしたことも、もちろん中絶も、すさまじい罪悪感があると思う。いくら未熟だとしても、それに比べて払った代償があまりにも大きすぎる。本当にやりきれない話だな。

大丈夫か?もうあまり自分を責めるなよ。反省しろなんて言わなくても、もう嫌というほど自分を責めたと思うし、つらいことがありすぎたと思う。もう、今は、とにかく自分の心も体も労わることを優先しなさい。

親も葛藤があったと思う。中絶がどれだけ君の精神に負担をかけるか、よく分かっていたから、産みたいという気持ちも汲んであげたかった。でも相手の親も反対するし、彼にも不信感があるし、状況的にもとても育てられるとは思えないし、本音を言えば反対だったろう。すごく悩んで、ブレが出たのも当たり前だと思う。

でも一つだけ言えることは、今の君を苦しめることになったとしても、少なくとも親は君の気持ちとか人生をどう幸福にするかって、それだけを目指していたはずだ。どの結論になろうとも、それだけはブレていなかったと思う。

中絶という苦渋の中での結論が、あのときはそれで良かったと思えるような、そんな未来を作ってあげなさい。親のために生きるわけではないけれど、君が未来に幸せになっていくことで、それが叶うから。

過ちは誰にでもある。ただ、過ちの大きさに、代償(影響)の大きさは比例しないから、すごくつらい目に遭ってしまったけれども、取り返せないわけじゃない。過去の事実は変わらないけれども、過去の持つ意味や捉え方は、未来の生き方によって変わるから。だから、これからのことが大事なんだ。

それで、彼氏のことだが。

校長は、人の気持ちを大事に考えるから、気持ちを汲むか、本人のためになることを言うか、という線で悩んだときに、できるだけ気持ちを汲みたいというところから入る。それでも、だ。もう別れなさい。別れられないのもよく分かっている。それでも、だ。

例えば左腕を骨折したら、左腕のことを気にしないなんて、できないよな。ずっと痛いし。心のことも同じなんだ。彼とのことで深く傷ついたら、その傷をずっとなめたくなるし、彼と別れるのは怖くなる。好きだから、という感じではない。彼と戻るために彼と仲が良かった思い出とかが浮かんできてしまうけれども、ただただ心が痛くて、彼にこだわってしまうだけなんだ。

そう簡単に別れるなんてできないよな。だって心はまだこの騒動でズキズキしているのに、彼がいなくなる、自分は一人になる、なかったことになんかとてもできないと思う。薄れていくのが怖い。彼と別れたら彼が無反省になるのではないか、そう思うのも怖い。彼もこのことにこだわっていると思う。別れたくはないだろう。

でも彼の心は君よりも早く回復していって、もう、君の気持ちも分からずに、浮気をチラつかせて体の関係を求める始末だ。残念ながら、もう彼は、君より相当に回復して、少し薄れている。割に合わないよな。女にとって妊娠は本当に割に合わないんだ。

だからなかなか別れられないと思う。親も心配するし絶対に別れろと思うだろうけども、なかなか難しいよな。とりあえず校長としては別れたほうがいいと思うけれども、もし関係をどうしても切れないのだとしたら、絶対に、絶対に、絶対に体を許すのだけはやめておきなさい。彼とのつながりは、彼に反省を求め、彼にも傷ついてもらい、今の自分の痛みをなぞるためだけにしなさい。

本当は、もう充分に痛みを味わったら徐々に未来に向けて生きてほしいけれども、まだ心が許さないと思う。深く、深く、沈む時期も大事なんだよな。もう少し納得するまで。だから彼にこだわってほしくないけれども、こだわってしまうのも仕方がない。これだけ傷つく体験を共にした彼だから、どうしてもこだわりたくなるけどな。でも、体を許したり、彼と再び恋愛関係に陥るのは、違う。それは絶対にダメだ。

彼への執着を断ち切り、卒業することが、君の最大の試練であり使命だ。人生を取り戻して、彼と関係なく自分の幸せを探し、素敵な大人になって、その結果として未来に彼とまた出会うというのならまだしも、この出来事を起こすこととなった彼への執着に決着もつけずに執着を引きずるなんて、それは君が傷つけた全員への裏切りだぞ。

赤ちゃんも、親も、いろいろと背負うことになった。君が背負ったことは、これを反省して未来に幸せになり、それに報いることだ。君は、彼に脅されながら振り回されて避妊を強く言うことも性的関係を拒むこともできなかった。そこから続いている彼への執着で、今こういう事態になっている。君の最初の使命は、その執着の連鎖を断ち切ってみせることじゃないか?それが周囲の人への報いの第一歩だと校長は思う。

大丈夫。慰めではなく、本当に、人生はこれからだし、幸せにもなれるから。周囲の人も助けてくれるし、親も、君につらいことを背負わせてしまったと思っているだろうし、なんとか幸せにしたいと思っているはずだ。そろそろ、彼との執着の連鎖から、離れなさい。一人じゃないし怖くないから。気合は必要だけどな。

また苦しくなったり、何か動きがあったら、愚痴でもいいからメールをしてきたらいい。何より自分の心をまずは労わることだ。よしよし。

(感想があればこちらへ advice@rennai.ac