校長の恋愛・人生相談室

No.591

彼氏との子供を妊娠したが、幸せではないし覚悟が決まらない

校長、こんばんは(^_^)

1ヶ月程前、6年付き合った彼(お互い23歳です)との子供を妊娠してしまったことを独り言で相談にのって頂きありがとうございました。それに対してのご意見をくれた方にもお礼を言いたいです。

発覚後はどうしたらいいかわからず、ただただ頭が混乱して、一週間程不安から泣いていました。そんな間にも彼は私の母にしっかりとスーツで挨拶もしてくれましたし、涙を流す母につられ彼も少し涙しながら順番を間違えてしまったことを謝ってくれました。病院にも毎回しっかりと付き合ってくれて、毎日つわりの心配もしてくれますし、私と子供を養っていこうと覚悟を決めてくれています。妊娠して初めてわかった彼の貯金も、少ない給料でよく貯めたなぁと感心してしまう程。昔からお金が無いとかそんな言葉を聞いた事がないくらい、しっかり者の彼です。
また彼の家族もとても喜んでくれていました。私と結婚しなかったらどうなるんだろうと思ってた、とまで言ってくれるくらいに可愛がってくれています。本当に素敵なお母さんです。

最初、ずっと母と二人三脚で生きてきた私にとって、母と離れて生活することは考えられませんでした。戸籍上もたった二人の家族なので、私が入籍したら母は1人になってしまう。お墓の問題もありますし、そんなことを考えるだけで涙が止まりませんでした。昔から結婚願望が無かった私はシングルマザーになってもいいから、母と子供と3人で暮らせたらと思ってた程です。彼にも泣きながら、私はあなたより母の方が大事で、離れて暮らすなら結婚はしたくない、と話しました。そうしたら彼は籍の事はどうしようかと悩んでくれ、私の実家でこのまま暮らすことを選んでくれました。私の母も私達だけで生活するのは経済的に厳しいから、好きなだけいていいよ、と。

ですが、こんなに話が進んでいるのに、まだ結婚に対して前向きな気持ちになれずにいます。今日まで一度も「幸せ」って思えていません。
それは彼とのお金の価値観が違いすぎること、私が今までの生活を手放したくないからなんです。
私はかなり複雑な環境で育ちましたが、お金にだけは困らず裕福な生活をしてきました。自分はこれからもお金には困らない、貧乏にだけはならないとなんとなく思って生きてきました。結婚式は海外で、結婚しても専業主婦になって、子供を連れて海外に行って、普段は美味しい物を食べて生活して、、、なんて根拠もなく信じてました。
彼は真面目で優しくて堅実な人です。本当に誠実だし、昔は困ったところもたくさんあったし今でももっと大人になって!なんて思うこともありますが、話し合えばわかってくれる人ですし、私よりずっと地に足がついている人です。

小さい頃から周りにいた大人の男は皆お金持ちでしたが、家庭を省みなかったり奥さんを悲しませる人ばかりでした。たぶん私もその反動で、若いうちから安定を求めるようになり、刺激は全くありませんでしたが真面目な彼と信頼関係を大事にして付き合ってきました。もっと遊びたかったり若いうちにもっとキラキラしたところにいたい、と思ったこともありましたが、そんな時期はいつか終わるしきっと私はいつかそれで自分が寂しくなることをわかっていたので、ずっとそれで幸せだと思ってました。なにより、6年も私を一途に想ってくれる彼に感謝していました。

でも、いざ彼と結婚する、それもすぐに赤ちゃんが産まれて3人になるとなったら、彼の少ない給料で生活していくなんて無理!とすぐに思いました。彼の実家が貧乏なことも、それで彼が苦労してきたこともずっと知ってました。そんな彼を尊敬してたんです。でも自分が貧乏をしてでも妻として彼を支えて子供を育てていくなんて、とてもじゃないけど思えなかったんです。彼を好きだったはずなのに、彼と結婚することへの嬉しさは1ミリも感じませんでした。ただただ先が真っ暗になったような気分でした。
たくさん喧嘩もしました。彼にもひどいことをたくさん言いました。きっと私が別人のように思えたと思います。「俺は金だけなのか」と何度も言われました。結婚したくない、とすら言いました。話し合いをしても、元々の価値観が違うので全く話が噛み合わないし、頑張るからと言う彼に何をどう頑張るのと返すことしかできません。たくさん傷付けたと思います。こんな私と結婚することに本当に申し訳なくなります。そしてなにより彼の家族は喜んでくれているのに、私の周りは誰1人として喜びません。みんなから結婚する相手じゃないと思ってた、と。私はもっと素敵な人、経済力もある人を選べるし、そういう生活を送ると思っていたと、口を揃えて言われました。
ただお互い子供を堕ろす選択だけはありません。年齢的に早くても落ち着いて子供と過ごしたいと思っていたので、自分の宝物ができたことはすごく嬉しいんです。
お金の話をしていない時は、前みたいにはできませんが普通に一緒に過ごしています。でも私も一度その事を考えると嫌で仕方がないし、彼もこんな私の事を考えて辛いと思います。母もこんな私を見てるのを辛そうにしていて、皆を悲しませている自分が嫌になります。
付き合ってる時彼に一番求めてこなかったものを、結婚するとなると一番重視することになるなんて思いませんでした。「お金が無くても愛があれば幸せ」なんて言えません。人並み以上の生活をこれからもしていきたい。子供にも自分と同じように贅沢をさせてあげたい。世の中お金だけじゃないけれど、お金があることでどれだけ心に余裕ができるか、どれだけ幸せか、どれだけたくさんのことができるか、知っています。

もう母親になるのにこんなことでずっと覚悟もできずにいるだめな私を校長に叱って頂きたいです。本当に最低な女だと思います。よろしくお願いします。

校長

このままだと彼が限界を迎えるこれは外部のサイトで相談したらコテンパンに叩かれる類の話だな。でも君の素直な気持ちが書かれているし、ごく自然な話だと思う。あぁそうだろうなと。

23歳で、自己責任とはいえ、予期せぬタイミングで妊娠して、たくさんの可能性を失ったように感じていると思う。実際に、自分は漠然とお金に余裕のある未来を得られると確信めいたものがあったのだから、その期待の水準からすると、これだけ若い段階で、とりあえず金銭的に苦労することが確定するというのは、やりきれないだろうな。でも、もちろん子供ができる幸せとか、もしくは責任とか、そういうことも分かっているから、おおっぴらにも言えないし、現状を完全否定したいわけでもなくて、君の中で処理できない思いになっているんだと思う。

彼氏が誠実なのも、また、ありがたくも苦しいことのように思う。妊娠を機会に、もっとしょうもない人間だということが発覚すれば、「この人とは人生を共にできない」とはっきり決まるのにな。

「ただお互い子供を堕ろす選択だけはありません」

もうそれが決まってるなら、心の持っていく方向は一つしかなくて、今この状況からどうやって幸せになるかに集中しないといけないよな。他にもあった様々な可能性に、しばらくうだうだ言ってから、見切りをつけないといけない。校長はその手助けを求められているのかなと思う。

まず一つ言えることは、このままいくと、君は不幸になるということ。理由は少し長くなるんだけども。

君は様々な可能性を失い、子供という宝物を授かり、それに加えて彼氏が誠実な人だというのもあって、産む方向で決めたと思うんだよな。母親の方が大切だとか言っても彼に許されているようだし、君の実家に住むことも彼は了承しているんだろう?君の人生に多大な影響を与えてしまった、という罪悪感や責任感もあるんだと思う。

でも忘れてはいけないのは、彼もすんごくすんごく我慢しているということ。我慢の中で強い覚悟を持って、この状況に臨んでいると思う。君にここまで言われているわけだし、幸せにしなきゃしなきゃ、と悲壮な覚悟を持っていると思う。

君は「あー彼とじゃ貧乏確定だー、いやだー」と嘆いているけども、そのままだといつか彼の気持ちに限界がくる。おれだって頑張ってるんだ、お前のことをこれでもすんごく考えて、自分の可能性も捨てていいから幸せにしなきゃと思って頑張ってるんだ、なのに!と爆発するときがくる。それが噴き出たら、君らの悪循環は止まらないんじゃないか?イメージできるだろうか。

君もそうだけど彼も、23歳じゃ、そうそう大人になれないものだ。彼も未熟。そんな中で、ここまで彼が爆発せず責任放棄しないだけでも、かなりすごいことだと思う。もちろん君もだ。お互いにぎりぎりの中でよくやっている。でもこのままだと限界がくる。

彼が今後、君に対して誠実にいて、子育てとか仕事とかにも頑張っていくためには、君からの愛情と支え、一緒に生きていこうという姿勢がどうしても必要なんだよな。「いい人なんだけど、もっと違う幸せがあったと思うんだよなー、彼じゃお金に困るしなぁ」と思っていると、彼は頑張れなくなる。彼とどうここから幸せになるか、一緒に考えよう、一緒に取り組もう、彼を励まし彼に期待しよう、という姿勢が不可欠だ。

しばらくは変動しないだろうけども、彼と生きていく限り、お金に苦労するのは確定なのか?君はどうだろうか。子供が小学生になってもまだ30歳だし、彼に頼り切る必要もないし、彼だってどんな未来でもまだまだあるんじゃないかと思う。

「こうなっちゃったんだから責任取って頑張ってよね。幸せにしてね。私も頑張るし一緒に頑張ろう」とか彼に期待をかけたほうが、彼は頑張れるだろう。お金に関して、彼との未来は絶望的だ、という目で見ていたら本当にそうなるだろう。君からの信頼と協力がなければ彼はどんどんダメな方向にいくはずで、一回キレてしまった後、勤労意欲もなくなっていくと思う。

でもそう思えないんです、と言いたくなるかもしれない。

本当にいろいろ気持ちを整えて覚悟を持とうとしてもできない、というのなら仕方がないんだけども、校長は彼のことをもっと考えて愛してやってほしいなと思うんだよな。彼が背負っているもの、彼の覚悟、それをイメージしたら君の心も前を向けるかもしれない。君には君の義務、責任があると思うけども、あえて一つ言うなら、こうして彼の気持ちを考え、歩調を合わせていこうと努力することかなと思う。いくら思っても気持ちが前向きにならない、というのなら本当に仕方がないんだけども。子供を育てる義務とかに頭がいきがちだけども、ここからどう幸せになるか一生懸命考えていくこと、そういう覚悟を決めることが、まず第一の義務なんじゃないかと思う。

「貧乏やだなぁ・・・」と思われてるのはつらいと思うけど、彼、「お金いっぱい稼げる人になってね!」と言われたら嬉しいと思うけどな。どうだろう。

それと、君は漠然と、当たりかもしれない宝くじを捨てたような気持ちになっているけども、人生は、常に今を認めてここからどうするかの連続だよな。予期しないことに影響を受けながら、決まったことへの断念、覚悟、今から得られる未来への期待、それを繰り返して生きて行くしかないから。まぁそう自分に押し付けすぎると一つ一つの気持ち(うだうだ言いたい気持ちとか)が踏みにじられるんだけども、そんなに、どうにもこうにもやりきれないほどの未来なのかなと思うし、ここから君なりの断念、覚悟、期待、はできるんじゃないかなと思う。

正論を押し付けられただけで終わった、という感想を抱かれていないといいが。

君の覚悟がどれだけ決まるかは、今後、君らの幸せを大いに左右すると思うから、ここは叱咤激励したい。決めたなら頑張りなさい。まだまだ、これで良かったという未来は、引っ張って来られるから。

(感想があればこちらへ advice@rennai.ac