恋愛の基礎ドリル

第3回 自立と依存

◆ 自立と依存とは

「自立」というのは、その言葉の通り、自分で立っているようなイメージです。あまり周囲に頼ったりせず、自分の力で生きようとする性質であり、周囲に迷惑をかける(影響を与える)ことを嫌ったりします。「依存」というのは、自立とは逆のイメージで、自分以外の何かに頼るような性質を指します。自分のことは自分以外の何か次第、自分以外の何かの影響を大きく受けるということです。

なお、ここでは詳しくは書きませんが、自立が人に迷惑をかけないから良いとか、どちらが上だとか、そういうことはありません。自立には自立の、依存には依存の、長所も短所もそれぞれあるのです。

◆ 性格と心と態度

例えば「依存」に注目して考えてみると、普段から人に頼ったり甘えたりしやすい「依存的な性格」の人がいます。しかしこの人だって、しっかりせねばと思うときもあるでしょう。つまり「依存的な性格(依存型)」という基本傾向があるにせよ「今は自立的だ」ということもあります。これは分けて考える必要があります。

また、誰かに甘えたいという気持ちがあっても、「甘えてはならない」と、強がって自立的に出ることがあります。つまり「依存心」があっても「態度は自立」ということがあるのです。心にある「自立心、依存心」というものと「自立的な態度、依存的な態度」は必ずしも一致しないということも覚えておいてください。

◆ 自立型の特徴

自立型(自立的な性格)というのは男性に多いです(女性にももちろんいます)。昔から競争に勝つことや「びーびー泣くな!」と感情を封じ込めることを教育されることから、男性はあまり人に甘えないようになります。また、長男長女であるとか、しつけが厳しい家に育ったとか、親を自分が支えたり親に頼れなかった人などは、しっかりすることを余儀なくされることが多く、自立的な性格になる確率も高いでしょう。

自立的な人は、人に頼らないことから、まずパワフルに生きますし能力が高まることが多いようです。また、人に喜んでもらうとか、与えることに喜びを見出すことが多いのも特徴的です。ただし欠点としては、しっかりせねばという思いから感情表現が抑えられて気持ちが分かりづらくなったり、人と協力するのが下手であったり、理屈っぽくなったり、自分ですら自分の気持ちが分からなくなりやすいということもあるでしょう。人の気持ちを感じ取るのも下手で、「分析」は得意でも、心で分かっていないこともしばしばです。

◆ 依存型の特徴

依存型(依存的な性格)というのは女性に多いです(男性にももちろんいます)。異性の親に溺愛された人や、人との心理的な距離が近い人、寂しがりな人、感情が強めの人などは、自分以外の何かに頼ったり影響を受けることが多くなります。甘やかされて育ったり、優しさや感情をありのまま認められて大事にされてきた人などは、特に依存的になりやすいと言えるでしょう。または充分に愛されているという感じが足りていない人も、依存的になっていきます。

依存的な人は、笑ったり泣いたりと感情をよく出すので、分かりやすいですし、親しみやすいという特徴があります。またノリノリになったり、すぐ友達になったりと、人との心の壁がわりと薄めで、心のつながりを大事にします。ただし、しっかりしていないので自分に甘いところがあったり、自立的な人の心が遠く感じられて寂しい思いをしたり、周囲の意見に影響され過ぎたり、振り回されすぎるという特徴があります。

◆ 両方が出る人

ときにすごく甘えたくなるのに、ときに優しくされたりすると逃げ出したくなったり、寂しがりなのに一人でいたくなるという人もいます(自立と依存が激しく入り混じる)。それはもう一歩踏み込んだ話なので、ここでは触れませんが、簡単に自立と依存という軸で語れないということだけは覚えておいてください。

≫ 入学する ≪