いろいろな理由のミックスだと思われるなかなか珍しい相談ではある。新しい彼氏ができても元彼のことが忘れられない、なんて話は日常茶飯事だけども、最初は確かに新しい彼氏のことが大好きなのに二度も同じ形で元彼を思い出してしまうなんて、あんまりないことだな。まぁ高校生だし元彼がそばにいる環境で、チラつくのだろうか。

元彼が思い出されてしまう、っていくつかの要因が複合的にあると思うな。つまりミックスされている。

一つは、単に元彼のことがまだ好きだという可能性。やっぱりいつ見ても元彼は素敵だなぁという気持ち。富士山に一度登ったら、隣の小さい山に登っても、富士山が見えるよな。あぁやっぱり富士山すげぇなぁって思う。そういう感じ。

二つめの理由としては、傷が残っているという可能性。元彼にふられたときに傷ついたよな。例えば左腕を骨折してるのに「気にしない」「もう忘れる」とかは無理だろう？あまりに痛いときにさすったりしてしまうし、目の前に花火が上がって「わぁきれい」って意識を一時的に奪われても、一瞬はその痛みを忘れるけれども、また冷静になれば骨折してたことを思い出す。心の傷もそうなんだよな。がっつり傷つけられたら、それが残るし忘れられなくなる。何度も思い出すし、傷つけた人間のことなんか忘れればいいのにずっとこだわってしまうし、憎しみだけしかないのに、ときにあまりに思い出すものだから「もしかして私はまだ好きなのか？」と誤解することすらある。まぁとにかく自分を傷つけた人間っていうのは、大きな存在になるのさ。

三つめの理由としては、新しい恋愛がうまくいかない、あまり未来に希望を抱けない、気持ちが下がってきたという可能性。人って未来に期待できていたり今が楽しいとき（充実してるとき）は、今や未来を見るんだけども、それがうまくいかないときってのは「過去にうまくいっていた時代」を見るんだよな。例えば年収3000万円あったけど今は300万円稼ぐのもやっとだっていうときは「あのころはよかったな」と思い出しやすい。恋愛がうまくいっていないとき、直近で恋愛がうまくいっていた、高く登れた山をつい思い出してしまう。心がそこに戻ってしまう、というべきか。君にとって元彼との恋愛が、ゲームでいうところのセーブポイントみたいになっていて、「あーもう今の恋愛だめだー」と思うとそこに心が戻っていく。

元彼との恋愛が、山で言えば標高3000mぐらいまで登れたとする。まぁ下山してしまったけども。新しい彼氏と山を登り始めて、もしかして3000mより上にいけるのでは、と思うから登り始めるんだよな（新しい山に3000m以上の期待をできない場合は、付き合う前から萎える）。君が確かに新しい彼氏ができたときはすごく好きだと思う、っていうのは3000m以上に登れると期待できたからだと思う。

ところが新しい山は2000mぐらいまでしかいけなかった、または2000mぐらいがせいぜいの山かなぁと思い始めた、それで下山しはじめる。下山するときはテンションが下がって、元彼の山を思い出す。

もし新しい彼氏と4000mぐらいまで登れて、そこからうまくいかなくて下山しはじめたなら、元彼を思い出すのではなく、新しい彼氏とラブラブだったころを思い出すだろう。「あーあ、あのときは仲が良かったのにな」と。直近の最高到達点がどこかによって、下山するときに、ふと思い出してしまうところが変わってくるんだよな。

まぁそんなこんなで３つ挙げたことのミックスなんだと思う。どういう比率で混ざってるかは分からないけどな。１つめが大きいとか、３つめが大きいとか、どれも大いにあるとか、いろいろあり得るだろう。

どうしたらいいか、簡単だ。ただただもっともっと素敵な人と素敵な恋愛ができるよう目指しなさい。元彼をふと思い出すから、次がうまくいかないわけじゃないから。次がうまくいかないから思い出されるだけで。ただただ未来を素晴らしいものにしていこうとすればいいだけで、その間、ふと元彼を思い出したっていいし仕方がない。そういう気持ちでいればいいだろう。

まだ高３だしめまぐるしく価値観も恋愛の最高到達点も変わっていくさ。ごちゃごちゃ考えず未来に向かって進めばいいから。