校長の恋愛・人生相談室

No.86

長続きの秘訣は「干渉しないこと」なのか

ここ♀はたちです(^_^)

ずっと疑問だったのですが、
干渉すると恋愛は長続きしませんか?

私は今まで短期間の恋愛ばかりしてきました。最高でも1年半です。

なので、長い間付き合っている相手がいる方に、長続きの秘訣を幾度となく聞いてきました。

するとみんな、
干渉しないこと。
と、ほとんどの方がそう答えるんですよね。

これではたして絆が出来上がっているんでしょうか?

できた上だからこそ成せる技ですか?

わたしはこれができる気がしません(;_;)

結婚したりとか、いつかは放任にもなると思うんですが、、、

干渉しないこと。についてどう思いますか、校長先生(;_;)

校長

長続きを狙ってどうする干渉、という言葉は校長は明確な意味を持って使ってるんだよな。相手と関わることのうち、相手が望む望まないよりも、自分が関わりたいかどうかを優先して関わること。例えば自分の不安をなくしたいとか、自分の立場を良くしたいとか、内心はそういう事情で相手に関わること。

母親が、子供の進学先を一緒に考えてあげているようなふりをして、本当は自分の見栄を優先して関わるとか。そういうのを「干渉」という言葉で表している。

でも君がいろんな人に聞いたときに使われた「干渉」という言葉に、どれだけ明確な定義や、わりとはっきりしたニュアンスがあったろうかと考えると怪しいよな。どういう意味で言っているんだろう。単なる、全ての種類の関係性まで減らしたほうがいいということだろうか。それとも、校長が言うような、うざい関わり方は減らしたほうがいいということだろうか。

その「干渉」という言葉のニュアンスについて詰めないうちに、違う話に進めるけれども、もう一つ気になることがある。「長続き」してどうするんだろうか、ということ。君はどう思う?長続きさせたいのか?

例えば「このオレンジジュースおいしい!たくさん飲みたい!」って言って、誰かが「水で100倍に薄めれば100倍の量になるよ」と言ってきたらどう思う。いや味を薄くしても意味ないし、と思わないか?でも単に「長続きさせるには」と問えば、まるでオレンジジュースを薄めるかのような話にいつのまにかなっている人もいるんじゃなかろうか。

とひととおりツッコミどころというか話の懸念点を挙げた上で考えを言うけども。

単にオレンジジュースを薄めるように長続きさせるなら、面倒くさいことを減らすというのは有効だと思う。楽しいことだけする、あとは干渉(うざい関わり方)はしない、お互い自由を保つ。それでいい。

恋愛というのは多くの場合、ラブラブからスタートして好循環がどこかで悪循環に変わり、そして危機を迎える、という「一往復」がある(その中に実は何度か問題があるとか細かい話があるんだけれども細かい話は省略)。悪循環になったときにそれぞれの人が抱えるたくさんの問題(寂しさや気持ちが分からないことや気持ちを言えないことなど)をぶつけ合うのだけれども、多くの場合はその悪循環が極まり、その壁を越えられずに別れる。でも危機を迎えても、「今はうまくいっていないけれども、お互いに大事な存在」とかぎりぎりのところで再認識できたカップルは、踏ん張る。一往復を超えて、好循環がきて、二往復目が開始されたりする。

干渉しない、というのは一往復目の後半、悪循環のところをなかなか進行させないというだけの作戦だと思う。そりゃ関わりが薄ければ、二人の癌は進行しない。でも君の言う通り、それってどうなのかなと思うよな。関係への諦めこそが長続きのコツって、そりゃそうだけども、オレンジジュースの味への諦めが大量にそれを飲むコツだというだけのことだろう、と。

干渉しないでも信頼を高めていくには、苦しいことを避けられないと思う。一往復、二往復、乗り越えるたびに信頼が高まって、干渉もしないで済む。それは諦めることとは違うし、干渉があってのこと。それともっと広い視野で言えば、もしかしたら若いカップルよりも年齢を重ねたカップルのほうが干渉を減らしても無関心ということもなくうまくいく可能性はあるけれども、そういう二人の場合は若いころに痛い経験が何度もあったはずなんだよな。一往復、二往復、を昔の恋愛で何度もやって痛い目を見てきたとか。だから、新しい恋愛の一往復目も、まるで五往復目のようにやれる、ということはあると思う。または不倫とか人に言えない恋愛とかすごく苦しいところから、不信感の大きなところからスタートした恋愛で、それを乗り越えたケースなんかは、わりと最初のころから「干渉しない」を貫いてもしっかりした信頼と絆が出来上がっている可能性はある。

「干渉しない」をやっていても、無関心同士とか我慢とかただの諦めとかでなく、ちゃんと信頼関係や絆ができているというカップルは、必ず過去かその恋愛の中でか、どこかでうざいくらいの濃くて痛い恋愛を経験していると思うけどな。いきなり「干渉しないのがいいらしい。それで長続きさせよう」と考えると、望まない結果が出ると思う。

まぁ、もっとも、恋愛や結婚というやつは最後は我慢と諦め、それ以外でうまくいかせる方法はない、と考える人には「干渉しない」というコツが真理だろうし、そんな感じで寿命を全うすればべつにそれを否定することもないけれども。校長の考える恋愛や結婚観(≒人生観)とは違う、というだけだ。

長続きを目指すんじゃなくて、ただ目の前の恋愛に思い悩んでいけばいい。そのほうが、ときにすぐ終わったり、痛いこともあるだろうけれども、最後には素敵な一つの恋愛が残ると校長は信じている。

(感想があればこちらへ advice@rennai.ac