恋愛の基礎ドリル

第8回 無意識

◆ 勉強しなくちゃいけないのに…

例えば学生のとき、いつも試験勉強をちゃんとやろうと思うのに、ぎりぎり追い込まれるまでなかなかできないという経験はありませんでしたか?なぜ私たちは、自分の心のことなのに、こうも思い通りにならないのでしょうか。それは、思い通りになるのはほんの表層の「意識」の一部分だけであり、心の多くは自分でもよく分からない「無意識」が支配しているからです。

「意識」「無意識」以外にもあるのですが、ここでは大雑把に、二つに分けて考えていきましょう。

◆ 無意識の力

無意識というのは、想像を絶する活動をしているものです。例えばある人が丁寧な口調なのに「なんか信頼できない人だ」と思うとき、その理由は意識して明快に説明できないかもしれませんが、無意識はなんとなくその人から嫌なものを感じ取っているのでしょう。過去にそういう人がいた、こういうトーンで話すときはこういう風に思っている、しぐさが落ち着かない、などなど数えきれないほどのデータと照合して「なんだか信頼できない」と自分に感じさせるのです(実際はこういう動きではないでしょうがイメージとして)。

例えば彼氏彼女の浮気現場を発見したとき、心に電気のようなものが走った後、意外と冷静かもしれません。「うわ最低」「よかったこんな人間だと気付いて」「死ね」そう吐き捨てるぐらいで、取り乱さないかもしれません。自分は愛されていなかったとか、この人に下に見られていたとか、そのように心に直撃するのは耐えられないというとき、無意識は心の直撃を避けてスイッチを切って「相手が悪い」「むしろ気付いてよかった」などと、痛みに麻酔をかけてくれたりもします。

少し経って、この痛みを本当に直視できるときがきたとき、やっと「あのときつらかった」というのがやってきたりします。無意識が、「今なら受け止めることができる」と判断したとき(実際に判断しているわけではないですが)、やっと痛い思いがやってくるのです。このように無意識はあちこちに細かくケアをしたりしてフル活動しているのです。

◆ 小細工は通用しない

私たちは、例えば自信がないときにこそ痛々しい自慢話をしてしまったり、恥ずかしいときにつまらないごまかしをしてしまうということがあります。あれこれ口先でうまいこといって丸め込もうとすることもあるでしょう。

しかし、人の無意識はとても偉大で、そのような小細工はほとんど通用していないと思ったほうがいいかもしれません。いえ、相手の意識を騙したり、理屈をこねて判断能力を失わせることぐらいはできるかもしれません。しかし相手の直感など無意識の部分まで騙すのは難しいでしょう。例えば自信もないのに偉そうにしたり、緊張しているのにしていないふりをしようとすれば、その違和感はなんとなく見抜かれているものです。

このサイトでは、小細工は小細工で大事にしてはいますが、もっともっと重要なことにスポットを当てて恋愛を学習していただきます。最終的には根底から叩き直さなければ恋愛において成長などできないのですから。

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