恋愛の基礎ドリル

第5回 付き合うということ

◆ 付き合う必要性はあるのか

「べつに一緒にいたいならいればいいし、そうではないなら離れればいい。付き合う必要なんてない」という人も世の中にはいます。それを聴くとモヤモヤする人もいるでしょう。付き合う必要性は本当にないのでしょうか?結論から言えば、付き合う必要性は、ありません。

それでも誰かを好きになったら「付き合いたい」と思う人がほとんどではないでしょうか。付き合うのを「契約関係」のように言う人もいますが、付き合うとは何なのでしょうか。

◆ 付き合うことの意義

お互いに好きになったからといって、付き合う「必要性」はありません。むしろ付き合うという形をとる必要性があるのなら、付き合うということの意義は半減してしまいます。お互いに好きになって、「わざわざ付き合う必要がないのに付き合う」からこそ、意義があるのです。

付き合うということは「誓い」の一種だと言えるでしょう。誓いというのは、誓う「必要性」があるからするというものではありません。例えば「浮気してはならない」などの暗黙の制約を背負ったり、相手のために愛情を捧げるなど、明確な定義付けはなくとも、おおよそ「付き合う」ことによって生じる常識的な義務を、あなたのためならば背負ってもいいと誓うことが「付き合う」ということなのだと言えます。

強制ではなく、お互いに自ら誓約を交わすことで、お互いの信頼を少し深める、これが「付き合う」ということです。お互いに信頼関係を築いていくステップを、「付き合う」と誓い合うことで三段飛ばしぐらいで一気に進むようなものだと表現してもいいかもしれません。

◆ 付き合うことの成立

付き合うということに「誓い」の意味合いがあるとすれば、付き合いが成立するのには、お互いに彼氏彼女であるという明確な意思が交わされている必要があるでしょう。その意思確認がお互いに交わされることが、付き合うことの成立だと言って差し支えないと思われます。

◆ 付き合いの破綻

もうどちらかが相手のために「誓い」を背負っていくことが嫌になってしまったり、義務感に追われて誕生日プレゼントをあげるようになったりすれば、付き合いは破綻してきます。または「付き合う」ということによって背負うべき義務は明確に法律のように決めるものではないので、例えば相手は「浮気しても当然に問題ない」と思っているなど、「付き合う」ことの実現の仕方があまりに自分とズレていれば、これも破綻を招きます。

お互いに「付き合う」ということがよく分からなくなってしまったとき、明確なルールなどはないので、「自分たちの付き合いってなんだろう」ということを見直したほうがいいかもしれません。まだお互いを思う気持ちがあるのか、付き合い方をすり合わせていきたいという気持ちはあるのか、など。付き合うということには決まりがないのですから、まずはおおよそ当たり前だと思う付き合い方から始めて、あとは二人で作り上げていくものなのです。

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